パーキンソン病の一般的治療
パーキンソン病の治療で進行を完全に治癒させる治療法は残念ながら開発されていません。 標準治療ではL-dopaというドパミンを補いますが、ステージによって治療法は異なっています。 初期の場合では、抗コリン剤や塩酸アマンタジン、ドパミン受容体刺激剤を用い。 中期以上の場合では、L−DOPA、ドパ脱炭酸酵素阻害剤、ドパミン受容体刺激剤などを併用します。
パーキンソン病の治療での問題点は、長期間の治療の中で、次第に薬効が減弱したり不安定となって、一度治まっていた不随意運動や精神症状などに悪化がみられます。 そこで、抗パーキンソン病剤を増量したり、ドパミン受容体刺激剤や抗精神病薬を併用するなどの治療が追加されて、薬用量が次第に増加してくるのです。
グルタチオン療法の意外な効果
パーキンソン病とグルタチオン
抗酸化物質の中でも最も強力なグルタチオンは、脳内で絶えず発生する活性酸素を消去して、活性酸素から脳神経細胞を守る極めて大切な役割を担っています。 ところが最近になって、パーキンソン病では、この大切なグルタチオンが脳内に著明に減少していることが明らかになりました。 イタリアSassari大学のチームがこの欠乏したグルタチオンに着目してパーキンソン病患者にグルタチオンを点滴したところ、パーキンソン病の症状が著明に改善され、この療法が注目されています。
手足の振戦、筋硬直、動作緩慢、姿勢の異常や歩行障害など、パーキンソン病の症状が殆んど消失した症例も多く、長年の車椅子から解放される症例まで現れたのです。
当院でのグルタチオン点滴療法
当院でのグルタチオン療法は、点滴療法研究会(会長 柳沢教授)の最新情報と指針に従って実施しています。パーキンソン病のステージによって、点滴するグルタチオンの量や、治療期間、治療回数は異なりますが、一般に週に1回〜3回のグルタチオン点滴療法を行います。
点滴の所要時間は、点滴の量によって異なりますが約40分から80分位です。
オプション
*INDIBAによる温熱療法
*コエンザイムQ10やポリフェノールなどの抗酸化サプリメント
パーキンソン病の頻度、症状、原因
パーキンソン病は一般に高齢者に発症し、日本の頻度は65歳以上の約1000人に2人の割合でみられる病気です。 高齢化とともに患者さんは増えているのが現状です。
パーキンソン病の特徴的な症状としては、手足の振戦、筋硬直、動作緩慢、姿勢の異常や歩行障害などがあります。 パーキンソン病の振戦は、静止時に強く表れる震えで、動作時にはむしろ軽減したり消失する特徴があります。 歩行時の姿勢は特徴的な前かがみとなり、進行した症例では嚥下障害も出現してきます。その他の症状として、立ちくらみ、昼間に眠くなったり、便秘、姿勢異常などを伴う場合もあります。
パーキンソン病の根本原因は未だ不明ですが、中脳の黒質にドパミン神経が減少していることが明らかになっています。 このドパミン神経が少ないと、ドパミンという神経伝達物質が不足して、円滑な運動や迅速な運動が出来なくなって症状が現れるのです。
パーキンソン病のステージ
| ヤール I 度 |
症状や徴候が一側性である |
| ヤール II 度 |
左右両側性に症状や徴候があるが、体幹の症状がない |
| ヤール III 度 |
姿勢反射障害などの体幹の症状があるが、日常生活には介助が不要 |
| ヤール IV 度 |
日常生活に部分的介助が必要な状態 |
| ヤール V 度 |
日常生活には全介助が必要な状態 |
*ヤールIII度以上では、特定疾患医療制度の対象
パーキンソン病とパーキンソン症候群
パーキンソン病以外の病気でもパーキンソン病と同じような症状が出ることがあり、症状だけでは診断はできません。 パーキンソン病と同じような症状を出す病気をまとめて、パーキンソン症候群と呼びます。
症状自体は類似しているパーキンソン病とパーキンソン症候群ですが、実際に脳の病的な変化は全く違いますので、治療方法も異なるのです。
パーキンソン病では、不足している脳内のドパミンを補うことで改善が期待できますが、パーキンソン症候群ではドパミンを補充してもあまり改善はありません。